臨床と研究を
同時に学ぶことで
医療への探究心が芽生えた
岩手医科大学附属病院 循環器内科
登坂 憲吾 Kengo Tosaka
- 埼玉県出身
- 岩手医科大学医学部卒業
- 2017年4月
- 岩手医科大学附属病院 初期研修(〜2019年3月)
- 2019年4月
-
岩手医科大学 循環器内科入局
岩手医科大学大学院医学研究科(循環器内科)入学
岩手医科大学附属病院 循環器内科勤務 - 2020年4月
- 八戸赤十字病院 循環器内科勤務
- 2021年3月
- 岩手医科大学大学院修了(医学博士学位)
- 2021年10月
- 岩手医科大学附属病院 循環器内科勤務
- 2022年1月
- かづの厚生病院 循環器内科勤務
- 2022年4月
- 岩手医科大学附属病院 内科学講座循環器内科勤務
祖母が急性心筋梗塞で亡くなったことから、循環器内科に興味は抱いていました。入局の決め手となったのは大学5年生の臨床実習でのこと。急性心筋梗塞で搬送された患者さんが心肺補助循環装置を付けながらカテーテル治療を受け、独歩で元気に退院するまでの経緯を傍らで学びました。救命のため、医師たちが全力で治療にあたる姿を目の当たりにし「この科へ入るしかない!」と思いました。
循環器内科の魅力
疾患は多岐にわたり、治療法やデバイスなど進化し続ける領域
心停止で瀕死の患者さんを救えるカテーテル治療にまず惹かれましたが、循環器疾患は心筋梗塞だけではありません。心不全、弁膜症、不整脈など多岐にわたり、これらの治療法はどんどん進化しています。例えば、突然死のリスクとなる大動脈弁狭窄症は、開胸手術が困難な高齢者であっても、今では経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)で低侵襲に行うことができます。また、心不全薬やデバイスなども次々と新しく開発されていて、非常に循環器内科が携われる範囲が増え、救える患者さんも増えています。
内科専門医研修プログラムで
学んだこと
入局と同時に大学院へ。医療への探究心が芽生えた
循環器内科では、1年目に大学病院で研鑽し、2年目に関連病院に行くケースがほとんどです。私の場合も1年目は大学附属、2年目に八戸赤十字病院(青森県)でお世話になりました。カテーテル治療の患者さんが多い病院なので、手技の経験を多く積み、カテーテル認定医の資格を取得することができました。3年目は大学病院に戻って他科をローテートした後、かづの厚生病院(秋田県)へ。ここでは患者さんを大学病院に紹介する逆の立場となり、「いいよ、いつでも受け入れるよ」と快く対応してもらえる、ありがたさが身にしみました。大学病院では先進医療、関連病院では臨床、その両方を研修中にしっかり学べることは貴重だと思います。
また、社会人大学院制度を利用すれば、研修中に学位取得が目指せるのも大きなメリットです。「やるなら早いうちが良い」と、入局と同時に大学院へ進みました。研究テーマは近年注目されている「腫瘍循環器」に関わる内容で、心筋梗塞とがんについて勉強しました。指導医の先生にサポートしていただきながら論文を書き上げました。大学院での4年間は、学位を取得できたこと以上に、論文を読む習慣が身に付いたこと、医療への探究心が芽生えたことが嬉しく、医師としての大きな礎になっていると感じています。
医局について
新しいことにチャレンジする教授をリスペクト
関連病院で勤務している医師も含めると、循環器内科は約80人。この大所帯のチームを率いる森野教授はリーダー力があり、まさに師と呼ぶにふさわしい方です。ネガティブなことは口にせず、新しいことに果敢にチャレンジする姿勢にオーラさえ感じています。かといって決して近寄りがたいわけではなく、コロナ禍の前は、私のような若手医師たちもホームパーティに招いてくださるフレンドリーな先生です。
また、私には様々な分野において複数の指導医の先生がいますが、内科研修中の指導医の先生は、エコーを得意とする循環器内科医であり、子育てを楽しむ母でもあります。仕事と家庭を両立しながらキャリアアップする姿に頭が下がり、いつか自分も家庭を持ったときには先生のように頑張りたいと刺激を受けています。
目指す医師像
習得したことを、生まれ育った故郷にも還元できる医師に
当たり前ですが、循環器内科医として少しでも患者さんの力になり、目の前の患者さんを救える医師が理想像です。経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)と経皮的冠動脈インターベンション(PCI)の技術を究めつつ、ここで最先端の医療を学ぶのが当面の目標です。そしていつか、習得したことを生まれ育った埼玉県に持ち帰って還元したい。埼玉県は人口に対する医師の数が少ない地域なので、地元でも患者さんをサポートできたら嬉しいですね。
循環器内科の中の「総合診療医」になれるような、多面的な教育制度を準備して参ります。もちろん、専門性の高い分野に進みたい方にとっては、最新医療への対応率や症例数は大学病院トップの実績を有するため、その一翼を担って頂きたいと思います。週末のレジャー活動や家庭を重んじる雰囲気を大切にしています。
循環器内科 教授 森野 禎浩