研修医
インタビュー

04

広く領域を
横断することで
幅広い知識を習得できる

岩手医科大学附属病院 膠原病・アレルギー内科

中屋 流石 Sasuga Nakaya

Profile

岩手県出身
岩手医科大学医学部卒業
2018年4月
岩手県立宮古病院 初期研修(〜2020年3月)
2022年4月
岩手県立大槌病院 内科勤務
2022年10月
岩手医科大学膠原病・アレルギー内科入局
岩手医科大学附属病院 内科学講座
膠原病・アレルギー内科勤務

Course of events

私が生まれ育った宮古市は医療機関が十分ではなく、いずれ地元に戻って地域医療に貢献できればと考えています。地元では専門的な疾患だけでなく、幅広い分野を網羅しながら患者さんを診る医師が必要です。そこで、さまざまな科と密に連携して治療に当たる膠原病・アレルギー内科に興味を抱きました。

膠原病・アレルギー内科の魅力

全身に症状が現れるため、あらゆる科と連携

膠原病の初期段階は風邪症状に似て、生活に支障はありません。しかし進行すると、関節の変形(リウマチ)、手足のしびれ、筋力の低下・筋肉痛、腹痛、皮膚筋炎のほか、臓器に障害が起これば肺炎、胃潰瘍、胃がんの発症など、あらゆる部位にさまざまな症状が現れる全身性自己免疫疾患です。ゆえに他科とのつながりが深いことが大きな魅力です。例えばリウマチなら整形外科医との連携による治療が欠かせないように、疾患によって心臓外科、循環器内科、消化管内科、呼吸器内科、皮膚科、神経内科、血液内科など、連携先は多岐にわたります。また、アレルギー疾患の代表といえるぜんそくも呼吸器内科と密に関わります。これほど広い領域を横断する科は、他にないのではないでしょうか。だからこそ専門的かつ幅広いスキルと経験が求められる膠原病・アレルギー内科は、医師としてハードルが高いですが、その分やりがいも大きいです。

内科専門医研修プログラムで
学んだこと

精度の高い診断力や患者さんとの関わり方を見習いたい

膠原病は免疫機能に関わる難治性疾患であることから、標榜科目に掲げる病院はごく少数です。そのため岩手医科大には岩手県内はもちろん県外から患者さんが集まり、さまざまな症例に出合うことができます。指導医は15歳年上の大先輩で、臨床の現場で学ぶことが多くあります。例えば初診時、筋力低下や関節の痛みの箇所などを問診・検査し、一度の診察で精度高く診断され、患者さんの状況のほとんどを理解できてしまうことです。また、膠原病は完治が難しく、長く治療を続ける方が多いのですが、指導医の先生は入院や外来を通じて良好な関係を築きながら治療をサポートされるなど、患者さんとの関わり方もぜひ見習いたいと感じています。今は病棟勤務が中心で、主に入院検査の担当をしていますが、少しでも早く外来を任せていただけるよう頑張ります。

医局について

研究領域の医師が多く、最先端の研究に触れられる

膠原病・アレルギー内科は2021年4月に設立された新しい科です。しかも私は入局してまだ日も浅く、科のことを語れる立場ではありません。ただ、膠原病・アレルギー内科の特徴といえるのが、外来医師が6〜7名、研究は10名と、研究領域の医師のほうが多いこと。膠原病はまだ解明されていないことも多く、研究の重要性が極めて高い分野といえます。週1回、医局では論文から学ぶ抄読会が開かれ、もちろん私も参加しています。細胞レベルの研究は難易度が高く、正直に言うと理解できないことばかりですが、自分でも常に勉強して知識を増やしていきたいと思っています。

目指す医師像

身近な医師として、地域の方たちを見守っていきたい

いずれは生まれ育った宮古市に戻るつもりです。地元は高齢者が多い地域なので、一人ひとりの患者さんに寄り添える医師でありたいですね。少し話せばイントネーションなどから私が同じ郷里出身と分かるはずなので、高齢の方にとっても心がうちとけて話しやすい身近な医師として、地域の方たちを見守っていきたいと思っています。

Message

新設された膠原病・アレルギー内科は、医局員がまだ足りていません。ですから研修中でもやれることはたくさんあり、やりがいが大きいことは間違いありません。ここで新しいことをどんどん吸収してほしいと思います。

2021年に新設されたばかりのリウマチ・膠原病・アレルギー内科です。基礎と臨床の両面から、免疫疾患を理解し、新たな治療薬、診断薬の開発ができるような講座を目指しています。ここで新しいことをどんどん吸収して、一流の医療人に成長してもらいたく考えています。岩手は冬の寒さは厳しいですが、春から秋にかけては雨も少なく台風も直撃することも少ない、非常に過ごしやすいところです。是非、岩手でわれわれと一緒にガイドラインを書き換えるような仕事をしましょう。

膠原病・アレルギー内科 教授 仲 哲治