先輩の「仕事」について、
かたってもらいます。
環境、仲間、
患者さんとのことなど。
知ることで、
安心はやってくる。
本学での初期研修を選んだのは、学生時代の臨床実習でお話した初期研修を終えたばかりの卒後3〜4年目の先生方の多くが、「今なら岩手医大(以下、大学)で研修をやり直したいな。手技よりも考え方を学んだ方が良いよ」と言っていたことに共感出来たからです。各科に専門医やそれを目指している先生方に指導して頂き、症例についてのカンファレンスや学会発表を幾度も経験することで、基本的な考えが偏らず体系的に学べたと思っています。
後から振り返ってやはり大学で良かったと思うことは、各科の最先端・最高峰の技術や研究に触れられたこと、そしてその場で活躍されている先生方の熱量の凄さを目の当たりに出来たことだと思っています。臨床にしろ、研究にしろ、その圧倒的な姿は、強烈な憧れとともに、今後の自分にとっての刺激と糧となっています。
また、元々大学で働こうと考えていた私にとって、多くの科で研修したことにより院内の先生方との繋がりを持つことができたので、3年目になった現在も、各科の先生方には相談しやすく、とても助かっています。
いま勤務している大学の神経内科・老年科は、脳梗塞のような急性期疾患から変性疾患のような慢性期疾患まで幅広く診ているのが特徴です。県内だけでなく北東北を中心に多くの患者さんが集まってきます。度重なる検査やカンファレンスを行い、診断をしていきます。
私が神経内科・老年科を選んだのは、症候学に興味があったからです。丁寧な問診と身体所見から情報を集め、そこからどういった病気かを考えていく(病巣診断と言います)。神経は全身にあるので、広い視点で考えなくてはならない。内科の魅力はいろいろありますが、症候学、診断学に基づいた神経内科・老年科のスタイルは、自分にはとても魅力的です。
また、2017年4〜6月に勤務した高度救急救命センター(以下、救急科)での経験も、私にとって貴重な経験でした。救急科は7つの専門グループに分かれており、私は神経内科グループの一員として勤務していました。主に重症な脳梗塞や髄膜炎などが多いですが、意識障害をきたす疾患の多くを見ることもあり難症例や稀な症例も経験出来ました。自分の所属するグループだけでなく、他グループの先生方とも協力し合い一緒に診ることもよくあるため、専門外のことも含めたくさんの事を学ぶことができました。
大学病院としては、研究機関であるということが、大学院生である私にとってはとても重要なポイントです。大学院で血小板作用の研究を勤務と並行して行っており、大変なことも多いですが、それでも他病院で働き研究日に大学に来られる先生方と比べると、学内にいるため時間的な都合をつけやすく、やりたいことがスムーズに行え、恵まれた環境だと思っています。
神経内科・老年科としては、医局員は男女比が3対2くらいと他科と比較しても女性が多いかもしれません。先輩方はみな優しい方ばかりで、困っていることはないか、いつも気にかけてくれます。また、関連疾患が多い脳神経外科や循環器内科、放射線科、救急科など他科との連携も密接で相談しやすく、病棟スタッフも患者の容態に合わせて最善を尽くせるように積極的に相談や提案してくれるので、とても仕事のしやすい良い職場であると思います。
※これは一例です
岩手医大として内科専門医を育てようとしているので、特に支援が整っていると思います。大学の規模やたくさんの先生方や患者さんとの対話を活かして、専門医の道を進むことが出来るのではないでしょうか。岩手県内で内科専門医になるには、最適な病院だと思います。
県内最大の医療機関であるので病床数も診療科も一番多く、一般的な病気から稀な難症例まで幅広く経験できるため、どの科においても症例の質も数も豊富なことが特徴だと思います。さらに各科の専門医によるサマリーの確認も随時行われておりますので、症例だけでなく内容についてもレポートに困ることはなく、内科専門医の資格を得るにあたりとても大きなメリットだと思います。
大病院だと縦割りになりやすいですが、大学の特に若手の医師は、横の繋がりを重要視しています。大学病院ですが、フランクに話しやすい環境が整っています。気軽に見学に来てください。